豊かな海
全国豊かな海づくり
各都道府県に会場を移しながら毎年「全国豊かな海づくり大会」が行われている。
今年(平成26年度)も 天皇皇后両陛下は第34回に行かれました。
天皇が外出することを行幸(ぎょうこう、みゆき)というらしい。
目的地が複数ある場合は特に巡幸と言うらしいが、行幸で思うのは天誅組の変という郷土の勤皇の志士古東領左衛門である。

古東領左衛門伝
http://hato.s165.coreserver.jp/cgi-bin/lan_pak/inf2.cgi?mode=main&cno=9

天皇が熊野に行幸の機会を狙って革命を企てたが失敗におわった。
明治維新のさきがけであった。
ここで書こうとしているのはそういう話ではないが、天皇がとくに「全国豊かな海づくり大会」に関心を持っているらしい。

人間が生きていく最低の条件(基本:漁業や農業)をおろそかにしてはいけないということだろう。
「全国豊かな海づくり大会」という事業は、水産資源の持続的利用を通じて、水産物の安定供給の確保、水産業の健全な発展等を実現していくためには、水産動植物の増殖および養殖の推進、水産動植物の生育環境の保全および改善、水産資源の適切な保存管理などを包括的に実施する「豊かな海づくり」の一層の推進が重要。

海づくり大会情報
http://www.yutakanaumi.jp/umidukuri/

「森は海の恋人」との言葉通り、豊かな海は山と川の恩恵に支えられている。
森林と水資源に富んだ奈良県での開催は、山と川、海を一体にとらえる視点が欠かせないとの考えからだ。
たとえば瀬戸内海だ。
工場排水や埋め立てなどで「ひん死の海」と言われたが、今、水質は大きく改善した。
年200件を超えた赤潮発生も昨年は83件だ。
だが、その恵みはかつてとは比べものにならない。

漁獲量が減っているのは要約すると・・・・

海草や海藻が群生する「海のゆりかご」とも言われる藻場(もば)、河口の干潟などの自然の海岸が減ったためとみられる。
貝類などのえさとなる植物プランクトンの増殖を支える栄養塩類の減少も大きい。
・・・・
豊かな海づくり運動は、稚魚や稚貝を放流して自然界で大きくする「栽培漁業」が大きな柱だが、海がやせていくのを食い止めなくては効果は持続しない。
漁業者が山で植樹し、林業者が藻場や干潟の整備をするといった複合した考え方で「里海」「里山」が豊かな海作りになるだろう。

---

このまえ毎日新聞の引用をPDFにして乗せていたら毎日新聞社から警告を受けたので書かないけれど、魚付き山林というのは研究者がいない時代から取り入れられてきたことである。
淡路でも時々ニュースに取り上げられている。

かいぼり:豊かな里海再生を 漁業者ら、淡路・津名地区で初 /兵庫
毎日新聞 2014年11月27日 (淡路版)

ため池にたまった泥(腐葉土)を海に流す「かいぼり作業」がこのほど、淡路市志筑の農業用ため池「黒田池」であり、同池水利組合と津名漁協、県、市関係者ら約70人が参加して泥出し作業をした。

第6次栽培漁業基本方針
http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_kouiki/setouti/pdf/s22-5-2.pdf

漁業と山の関係
海は山と一体。美味しいかき作りは森作りから(広島県)
かき養殖業者は「漁民の森づくり」という活動を行っています。
活動内容は、山での植樹活動。

兵庫県の離岸堤の失敗は「五色浜」を見れば説明はいりません。
五色浜は町名にもなるぐらいの浜で、淡路島の観光名所のひとつでもありました。

離岸流について
https://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/choshi/page_ripcurrent.html

離岸流によって海岸線近くの砂が削られて沖へ流れていく。
五色浜の観光事業者が廃業した原因となったと思うが誰も問題にしない。
それが離岸堤を2本作ったために五色浜の砂が移動して、五色浜の砂が無くなりました。
砂浜は海水の浄化作用もあり、砂浜に微生物がいることによって生物などの死骸や有機物を分解するのでしょう。

津井中津浦海岸に離岸堤をつくる話が出ていたことがありました。
科学者ではないけれど、昔の人は経験から自然と共生してきたのでしょう。
技術の発達でコンクリートは必要だが、川や浜辺には人間以外の生き物がおり、共存しているのだと思うけれど、人間という者の驕りでしょうかねえ。
ずっと西路山に建設された風力発電に対して発言しているが、理解されずにいるけれど補助金欲しさに故郷を売ったり、将来の生活の糧となる海まで壊してしまうことを思ってなのだが。

最近では漁業者が山で植樹したり林業者が藻場や干潟の整備をするといった活動もある。
林業、農業、漁業というのは第一次産業と呼ばれているが人間が生きていく上では絶対必要な産業であると思うけれど、物を作ったり汗水たらして生きるための食べ物を作ったことが無い人たちが世の中の舵を取っているのが原因かも知れません。

砂浜にテトラも問題ありです。
このテトラは1年ごとに50cmぐらいずつ沈んでいきます。
夏と冬で季節風によって砂が右〜左に移動するが、テトラを入れたことによって砂が移動せず、海岸の自然浄化が行われない。
テトラに当たった冬の波がしぶきとなって塩害で田畑にも被害が出るわ、通行の車両が・・・・・。
こんなことを許してしまう補助金行政である。



魚つき山林
松くい虫駆除のための薬剤散布が毎年行われる。
そのために市内配布の新聞折込チラシがわが印刷業者にも仕事として生まれる。
「松くい虫防除の薬剤散布が原因で健康被害が起こっている」という散布反対グループもある。
地方自治体が松くい虫防除の薬剤散布の中止に追い込まれている傾向にあるらしい。
貴重な松林が消滅してはならないと、ヘリコプターで薬剤散布を行っているが、いたちごっこのように松くい虫の脅威は絶えることがない。

山に生える松の木は現在では家を建てる材木にはならない。
むかし田舎では家の近くに松や杉、檜を植えて50年から100年ぐらいして家を建て替えるときのために林を作っていた。
それは建築材として使えるように枝打ちをして育てていた。

山に生える森林は魚つき機能があるという
(1)土砂の流出を防止して、河川水の汚濁化を防ぐ。
(2)清澄な淡水を供給する。
(3)植物プランクトンが海洋の生物の栄養源になる。

いろいろな考え方があって、人間は自分の都合の良い方向にあれば勝手な解釈をするが、都合が悪ければ文句を言う。
国が絡んでくれば補助金がついてくるので、もらえる側と貰えない側とで意見が分かれてくる。
補助金行政が本質をゆがめていることが多い。
風力発電、太陽光発電などの新ネルギー政策などが典型で、海洋資源とエネルギー問題がぶつかり合って複合的な議論が起きてくる。

南あわじウインドファーム工事から約10年になるが、周辺の海に藻がなくなってきていると漁業関係者が嘆いている。
いわゆる「磯焼け」である。

風力発電建設が原因で土砂災害が起きて、杜撰な工事が表ざたになりましたが、改善されないから暫くは「磯焼け」は続いていくでしょう。
アカマツはマツタケが生えるので、マッタケ山として貴重だが、はげ山に生えた歪んだ盆栽の松の木の松葉の腐葉土の間に顔を出すキノコがマツタケで、手入れをしなくなった里山にマツタケは出なくなっている。

松くい虫というのはマダラカミキリムシの幼虫が松の木の中に卵を産んで、それが松を枯らす原因だから殺虫剤を散布するというのだ。
松が貴重な樹木かと考えると、松でなくても広葉樹のほうが「魚つき山林」としては良いのではないかと思っている。
松は常緑樹だが桜などは広葉樹で春には花が咲いた新緑が綺麗だし、秋には紅葉が綺麗でその落ち葉が腐葉土となって保水効果もある。
山が肥えて更に栄養豊かな山になって、植物プランクトンを海に供給する。

むかしNHKのプロジェクトXという番組で、襟裳海岸の昆布漁師が山に木を植えるのを放映していました。
広島県のかき養殖業者たちは、「漁民の森づくり」という活動を行っています。
活動内容は、山での植樹活動。かき養殖の舞台は海にもかかわらず植樹という山での活動を行っています。
そういう世の流れの中にあって、なぜ西路山(南あわじ市阿那賀)に15基もの風車が建てられたのでしょう。

解せん!



ホーム

CGI-design