ブランドへの挑戦
シャモを孵化させて飼うという無謀
シャモを孵化させて飼う
池波正太郎の小説に出てくるシャモ肉を食いたくて、軍鶏を飼うことにしました。
シャモ肉を食べたければ買えばよいのだが、有精卵からヒヨコを孵化させて飼う。
孵ったヒナが卵を産むようになるのは半年先になるらしい。
それまでに食べるとそれでお終いになるので、次の世代が出来るまで口には入らないことになるが、そういうバカなことも面白いと考えた。
孵化と簡単にいうけれど、ニワトリでいえば親鳥が卵の上に覆いかぶさって温めるということで、人間でなら女性が子宮の中で十月十日(280日らしい)受精卵を人間として誕生させるというものだ。
鶏は三週間(21日)のようだ。

変人と呼ばれるランクルは、孵化器を自作してみようと、これも馬鹿げたことを考えたのである。
・孵化器は温度を38度前後に保つこと。
・湿度を与えること。
・卵の位置(回転)を適度にずらすこと。
大雑把にいうとこの3つの要素が基本なのだそうだ。

これなら人間の体温で孵化させることも理屈では可能だが、仕事もしなければならないし釣やお酒を飲みに行きたいこともある。
孵化器は市販されているが結構な値段だ。
インターネットの中を見れば、ダンボールや発砲スチロールの箱をちょっと細工して有精卵を買ってきて孵化させるなど、面白い人達がいるのをみて少し安心しました。

卵を温めるには38.5℃が基本らしいので、温度計と熱源、一定温度を保たせるのにサーモスタットは最低必要なところだろう。
ということで、温度管理がとにかくイチバンだと思うのでアマゾンで買った。
熱源は農家向けのホームセンターでヒヨコ電球を買った。

○ヒヨコ電球
○サーモスタット
○温度計
○室内の空気を混ぜるファン
○有精卵

これで第一回目の孵化に挑戦したのである。
有精卵は鹿児島から取り寄せた大軍鶏種卵なので、はじめての実験には無謀すぎる。
理屈では一通りのパーツを揃えて、完璧のはずが生命の誕生であるから神に近いことをやろうとしているのだからそんなに簡単にいかない。
21日経っても孵る気配もない。
予定日から6日経ってもピヨピヨの声が聞こえてこない。
見事に失敗した。

自作孵化器の構造・孵化までの一連の工程
ネットで鶏の孵化までの過程を盗んできたので、これに基づいて孵化に挑戦したのであります。
何かの参考にと思って書いておきます。

まず有精卵。
孵化器の温度は38℃に設定
湿度が重要ということで「水皿に水を張りUSBファンで風を送り湿気を発生させる。
孵卵器の温度は38℃になっていることを確認してから有精卵を入れる。

転卵
卵を入卵してから1日目〜17日目までは一日2、3回卵を回転させる。
このことを転卵というらしい。
転卵は掌で卵を180℃回転させるだけなのだが、2時間か3時間おきに少しずつ回転させるのだが、よく忘れる。
あまり派手にやると卵内で血管が切れて死ぬらしい。
だから自動転卵装置を考えた。

入卵して18日目〜21日目は転卵を止める。
雛が出る準備をするので転地が変わると出てこれずに死んでしまうらしい。
霧吹きなどで湿度を高めるとか濡れタオルを孵卵器に入るなどすると効果的。
ひびが入っても手伝わないこと。
人間の産婆さんのようで、自然分娩がいいらしい。
殻を破るのを手伝ったりすると出血して死ぬらしい。

とりあえず自作孵化器で念願の軍鶏の有精卵を孵したのである。
途中で問題があったと思うので5個中で2個しか孵らなかったがまずまずの成果だろう。
もう一度挑戦中で・・・・・。

鬼平犯科帳から軍鶏を飼って肉を食らう
昔読んだ池波正太郎の文庫本までアマゾンで買いました(^o^)

日本には江戸時代初期にタイから伝わったとされるが、正確な時期は不明。
闘鶏の隆盛とともに各地で飼育され、多様な系統が生み出された。
闘鶏は多く賭博の手段とされたため、賭博が禁止されるとともに闘鶏としての飼育は下火になったが、食味に優れるためそれ以後も飼育は続けられた。
現在は各地で食用として飼育されている。
(天然記念物でも、飼育や食肉消費は合法)。
本来が闘鶏であるためオスはケージの中に縄張りをつくり、どちらかが死ぬまで喧嘩をするため、大規模飼育が難しい。
(ウィキペディアなどによる)
闘鶏には気性の激しい個体ほど好まれ、闘鶏で負けた鶏や、闘争心に欠けると判定された鶏は、ただちに殺されて軍鶏鍋にされた。
そのため、江戸時代から食用としても知られ、江戸末期には軍鶏鍋が流行したとされる。
池波の代表作、鬼平犯科帳には食べ物の話が多い。その中でも魅力的な食べ物が軍鶏鍋である。

戦いのために発達した軍鶏の腿や胸の筋肉には、ブロイラーにはない肉本来のうまみがあり愛好者が多く、他の地鶏に比べて大型であるために肉量が多い。
鶏肉の中では最高である。
そのために孵化器まで自作して、育てて食べようとしているのです。
まず食べる前に卵も自家生産しなくては・・・・。

年間産卵個数は100個程度。

鶏小屋はイタチが大敵

こんなに可愛いヒナだったのに、憎っきイタチめ!

生まれて40日した幼鶏がイタチにやられました。
鶏小屋を作るとき、外敵となる野犬やカラスのことを考えていたけれど、最大の天敵イタチのことを忘れていて、殺られました。
イタチは僅かのすき間からでも侵入して、血を吸って逃げてしまう憎っき奴です。
金網を張ってあったのだけれど、鶏小屋の出入り口の仕舞いが悪くて、こじ開けて入られ、朝起きて鶏小屋を見ると無残な残骸に悔しさで堪りませんでした。
ひし形に編んである金網は二重にしてあったけれど、出入り口が原因であったことで、次の雛は完全な鶏小屋にしようと友達の材木店で胴打ちと抜板を買ってきて補強をした。
継ぎ接ぎだらけの不細工な小屋になったけれど、元々古木で作ったくのだからしょうがない。
とくに金網の下部のところを抜板で内からと外から二重に挟み込むように補強をした。
イタチや野良犬は穴を掘ってまで侵入するらしいので、コンクリートで更に補強するほうがいいのかも知れません。

本来ならば可愛い元気に育っている雛鳥の写真を載せるつもりだったが、今は亡き写真となってしまいました。
血を吸われた可哀相な写真など載せられない。

孵化までの一連の流れ
自作孵化器 我ながらよくできたものだ。自我自賛

webから貰った情報から有精卵を孵す。
早い話がパクリだが、そういうのがネット社会のいいところかも知れません。
それを自分が考え出したと権利を主張してゼニ儲けにしようとするのがいかんのですわ。
ま、教えたり教えられたり出来るのでネット社会がいいと思っています。

○転卵は基本的に卵を1回に90度が理想。
中の胚が小さい時は180度でも良い。胚が成長し14日経過すると体も大きくなってくるので、一度に180度回転させられると苦しくなる。
腰と首が曲がった形で入っているので、回転角度によっては死に至る場合もある。
転卵回数は、1時間に1回程度、最低でも6時間に1回転卵をさせる。
転卵頻度は、多ければ多いほど孵化率が上がる。
最初の10日程度は保温むらがあっても中止率はさほど高くないが、最後の7日程度からは抱卵成績が悪いとほぼ中止卵となるらしい。
※孵卵器の孵卵中は蓋を全面にかぶせる

○平均孵卵温度36.7度が理想です。
36.9度前後で孵卵したほうが♀(メス)の割合が多くなります。
孵卵中の温度は38.2度で1時間程度なら影響ないが、38.9度で1時間は中止の原因になるらしい。
孵化温度が高いか低いによって性別も変わるらしい。

○ある程度湿度も必要です。
 孵卵器内に加湿の工夫をする。

○端打ちする頃には温度も少し(1度くらい)低くする。
耳をあてれば中からピヨピヨ・・・やがて卵に穴が開きます。
穴が開いてから24時間は絶対に殻をむいてあげたりしないこと。
まだ内臓が露出状態です。
21日目に孵るが2〜3日あるいは5日以上遅れることもある。
1週間くらいは孵らなくても様子を見る。
20日目頃に生まれた雛が濡れないように水の容器は隅に置いておくこと。
この容器は雛が生まれてからの水飲み場にもなります。
生まれたばかりの雛は水・餌ともに不要です。
適当に餌を周囲に撒いておけばやがて食べ始めます。

○孵った雛はまだ自力で体温が維持できないので、孵化器内で飼いながら徐々に温度を下げ慣らしていきます。温暖な季節ならば生後20日もたてば保温は不要になる。
飲水器と、餌鉢を入れる。
※育雛の場合は蓋を少しあける。電球の取り付けは、60Wのひよこ電球を使用する。(明るい電球はよくない)
ヒナはある程度大きくなるまで親の羽にくるまって夜は過ごすので、孵化器で孵した場合はペット用の保温電球が必要になります。
軍鶏の場合、オスは中雛までは一緒に出来ますが、それからは隔離しなくてはなりません。普通はペアで飼います。雄1羽に雌2羽から3羽でもよい。

いずれは孵化ビジネス または地鶏肉ビジネスにまで発展させるか?
命がもたんかもねえ(^^;


自動給水装置

軍鶏を飼うということはそんなに難しいことではなく、水さえ与えておれば一週間ぐらい餌なしでも飼える。
餌と水は毎朝一度だけ与えていた。その時水は一升瓶を逆さにして、飲んだら水が出てくる安易な装置を作っていたが、餌やりと水をやるだけだけれど結構面倒くさい。
そこで、水洗トイレの水を供給する浮バルブを利用して、各鳥小屋に飲み水を自動的に送ることを考えました。
これをどんなタンクに取り付けるかが問題で、最終的には魚釣りの時のクーラーを利用することになりました。
底に何とかパイプを取り付けて、そこから水洗便所の水供給する弁を取り付けました。

理屈では簡単なようだが、それぞれの鳥小屋の水飲み場の高さが重要で、ここが一番のポイントでした。
エンビパイプや継ぎ手の数々を計算したはずなのに、足りなくなって何度もホームセンターへ足を運びました。
昔なら曲りやパイプを継ぐのはバーナーと接着剤で、そうすれば材料費が少なくて済むのでしょう。
完成させるのが目的なので、そんなに高いものではないのでエルポと水飲み口に径の違うのに使う変換継ぎ手を買いました。
水準器というのは建設業には欠かせないものなのですが、思いつきばかりで作った鳥小屋だから、七ヶ所への水の供給にこんなに手こずるとは思いませんでした。

発酵飼料を作ってみる

軍鶏の有精卵は重宝されるといっても、年間80個ぐらいしか産まないから市販の飼料では採算性はよくない。
なんと言ってもシャモは鶏肉の王様なのだが、自家生産の鶏肉は許可なくては売ることができない。
自分で捌いて食うことは構わない。
趣味だけではこの世は生きるには大変だ。
道端で野菜などはどこの許可もいらないから、通行の妨げにならなければ「道の駅」みたいに売ることができる。
軍鶏を孵化させて売る、そのために孵化器まで考えてみたけれど、肉は売れないし、ヒナもうることができない。
孵化させて売るには
動物取扱業に関する制度があって、販売動物の小売及び卸売り並びにそれらを目的とした繁殖又は輸入を行うには
第一種動物取扱業の登録が要ります。

ということで簡単に諦めないのだから始末におえない(^o^)

それじゃ卵を売ることにしよう。
美味しい卵、卵ならスーパーへ行けば1パック200円から300円ぐらいが相場だが
有精卵、さして珍しいかどうか買う人の判断ですから、自信を持って美味しい卵だと売れるものをと考えてみた。
いま注目されているのは、発酵飼料で家畜を育てるのがある。
それは餌代の節約になるし、糞のにおいが減るらしい。
牛や鶏の飼育法として注目されているようだ。
よい菌(発酵菌)の作用で鳥たちの腸内の健康にもよくて、日常的に菌をとることで風邪もひきにくく、けがしても治りが早いという。

発酵飼料
・米ぬか発酵飼料 … 米ぬか、玄米、蕎麦、小麦、牡蠣殻
・季節の発酵飼料 … 米ぬか、蕎麦、小麦、もみ殻、蕎麦糠、季節のもの(南瓜、イモ類、ミカン等)
・オカラ発酵飼料 … オカラ、蕎麦糠。

米ぬかならコイン精米機が近くになんぼでもあるから、そう材料には困らない。
ぬか類は水分量を60%で必ず微生物が増殖し発熱するらしい。
この発熱した糠に、食品廃棄物(残飯)を加えると発酵飼料になるというものだ゜。

【材料】の作り方
★米ぬか
★野菜クズのみじん切り または雑草を細かく切った物
★一味唐辛子(免疫力UPになるらしい)
★牡蠣ガラ(カルシウム補給)
 実験用のソーラーがあったので、DCギヤドモーターと蓄電池と組み合わせて、自動カキ殻粉砕機を作りました。
★ヒジキやワカメ、海藻類はヨメが海老女みたいなのでいくらでもある。
 ミネラル補給にいいんだって。
その他、パンクズや煮干の出し殻、茶殻、蜜柑が傷んできて捨てるのがもったいないかなと思っても思い切れます。

こうやって作り始めて半年経ちました。
猛暑で産卵が落ちていたけれど、そろそろ生み始める頃だから、売れる美味しい卵として評判になるかな?



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