風力発電
風力発電に関する議論
風力発電とは風の力(風力)を利用した発電方式である。
風力エネルギーは再生可能エネルギーのひとつとして、自然環境の保全、エネルギーセキュリティの確保可能なエネルギー源として認められ、多くの地に風力発電所や風力発電装置が建設されている。
風力発電は、太陽光発電と同様にどの国でも経済的には自立できておらず、各国政府による巨大な補助金投入、つまりは税金や電気料金の固定価格買取制度によって運転されており、他のエネルギー源に比べてエネルギー密度が非常に低く、将来もエネルギー密度を高めて経済性を実現することができないため、割高のままであると予測されている。
(Wikipedia)

多くの人間は風力発電に対して、従来のエネルギー源である原子力や火力発電よりも自然エネルギーとかクリーンエネルギーという好意的な見方をしています。
風を利用するという優しいイメージによる一種の安心感、「風」というのは大気の移動という自然現象であるから、これを利用するというだけであれば安全かつ無限大のエネルギーが得られるはずだと思われています。
風力発電は、風車をいちど作ってしまえば、風で回るだけなので、運転のコストは掛からないように思うが、風車か運転を続けるには、保守や点検の費用がかかります。
また、故障などが生じた場合は、それを修理する費用が掛かる。
風車の部品のブレード(プロペラ)は10年から20年で新しいものに交換しなければならない。
耐用年数は「主として金属製のもの」であれば「17年」、「その他のもの」であれば「8年」を適用するようです。
風力発電で得られるエネルギー量は、必要材料の生産や廃棄、建設に消費するエネルギー量とその耐用年数を考えると決して「環境に優しい」というものではありません。

風力発電に関する議論U
風力で翼(ブレード)を回転させ、連結したタービンを回し発電する方法。
風力発電は、大気の流動をエネルギーに変換する為、基本的には環境負荷のない発電方法とされている。
ただし、エネルギー確保は大気流動により増減し、発電機自体の騒音も存在し、大型の電力供給を発生させる物は気軽に設置できる物では無い。
発生するエネルギー総量は2011年時点では効率が良い物では無い。

日本の風力発電がダーティな発電であるという意味
(鐸木能光[たくきよしみつ] 福島市出身の作家)
http://takuki.com/dsk/005.htm

この中で鐸木さんは
「風まかせで発電したりしなかったりする、その気まぐれな電力を買う義務を法的に負わされた電力会社としては、仕方なく買うが、その電気はもともと別の手段(火力や原子力、水力)で発電していた電気と「まぜて」使うことになる。風力発電所が発電しているときはその電気を100%使って、その分、大型火力や 原子力をこまめに止めたり出力を落とすということは無理なので、他の発電施設の稼働時間や消費しているエネルギーが大きく減るわけではない。
 原子力はもともと臨界状態になったら出力調整は極力したくないシステム(出力調整棒の抜き差しは危険だから)。普通は一回発電状態になったら、次の定期点検で炉を止めるまではフル稼働で動き続ける。
 火力も、大規模発電所ほどこまめに出力調整することは難しい。「何月何日の何時から何時までは風力から○○kw来ます」と分かっていれば、その時間をスケジュールに入れて出力を落とすこともできるだろうが、そうはいかない。まさに風次第なのだから、発電能力がいちばん余っている深夜の時間帯に風力発電から大量の電気を買わなければならないという不条理が日常的に起きる。
 深夜帯は、ただでさえ原発から生じる余剰電力を消費するために揚水発電所などを稼働させている。そこに追い打ちをかけるように気まぐれな風力発電所から電気が送られてきても迷惑なだけだ。
 このように、常に予想使用量を上回る電力を準備していなければならない電力供給システム全体にとって、いつなんどきどれくらいの電力が得られるのかまったく予想が立たない風力発電は、ただのお荷物でしかない。・・・・・・・・・・・・」


最初は悪意を持って風力発電を進めた人はいなかったであろう。
化石燃料を使わない自然エネルギーを期待しただ、問題点が沢山あることがわかってきた。
ところが役人の悪いところは、そこでUターンすることをしないから面倒なことになっている。
エネルギー政策は国策でもあることから、手厚い、ノーチェックの補助金政策、優遇政策が更にやっかいなものになっている。
バードストライク
バードストライク(bird strike)とは鳥が構造物に衝突する事故をいう。
主に航空機と鳥が衝突する事例を指すことが多い。この他、鉄道、自動車、風力発電の風力原動機、送電線や送電鉄塔、ビル、灯台などにおいても起きている。
( Wikipedia)

稼働する風車に鳥類が激突死する「バード・クラッシュ(バードストライク)」が問題になっている。
生態系を考慮に含めた、風車を渡り鳥の通り道を避けて設置する等の工夫が必要である。
風力発電機の反対派が特に主張しているため、風力発電機がきわだって報道されている。

兵庫県では段ヶ峰ウィンドファーム
〜イヌワシ生息地に計画された風力発電施設〜 
事業者が開発許認可申請を取り下げ、建設は中止となりました
http://www.d1.dion.ne.jp/~akaki_ch/dangamine.html

この自然豊かな段ヶ峰での風力発電施設建設は、イヌワシVS風力発電の問題ではありません。また、風力発電が善か悪かというものでもありません。

問題なのは、

1)法律で保護されている希少野生動物が生息する自然環境を大きく破壊することが目に見えており、さらには関連工事に起因する土砂崩れなどが懸念される場所に風力発電施設を建設しても良いのか、

2)そこまでして建設する風車が、多雪山岳地帯の過酷な環境下で適切に稼動し管理されて、本当に二酸化炭素排出削減に貢献するのか、

3)長期的に見て、本当に地元市民や国民の利益になる計画なのかということです。


2006年11月、事業者側(CEF)が「イヌワシ餌付け計画」を朝来市議会および兵庫県環境影響評価審査会に提出していることが明らかとなりました。この計画は同年4月頃には既に提出されていたものと見られています。
風車からイヌワシを遠ざけ、また風車建設で失われるイヌワシの狩場の代償として考えられた計画。
計画内容は猛禽を熟知する者が関わったとは考えられない稚拙なもので、猛禽の専門家は計画を批判しています。
事業者は餌付け計画をもって「イヌワシとの共存」を謳っていたが、そもそも計画地を除いて周辺に生息適地が無い状況で、風車建設とイヌワシの生存を両立させようとすることが無理な話です。

その程度の事業者クリーエエナジーファクトリ(CEF)が全国で風力発電事業を展開しています。
わが南あわじ市にも(2500kw)の風車が15基建設された。
CEF南あわじウインドファーム
海抜約120〜230m、南北約4kmの丘陵地に、高さ約85mの風車を15基が建設されました。
北海道根室市の発電事業者「クリーンエナジーファクトリー(鎌田宏之社長)」による現地法人「CEF南あわじウィンドファーム」として事業を行っている。
建設に際しては、大規模な開発であることから兵庫県の環境影響評価(環境アセスメント法)の対象でもあり、法律を守ることが絶対の条件でした。
地域住民の合意が必要である筈なのに、住民との十分な話し合いも行われないまま、建設許可が出され、工事が完成して稼動しています。

[兵庫県]環境影響評価概要書作成基準
環境影響評価準備書作成基準及び環境影響評価書作成基準
http://www.kankyo.pref.hyogo.jp/eia/sakuseikjn.html


兵庫県知事は・・・
事業実施区域の周辺地域は、豊かな自然環境の中で生活が営まれている地域であることから、兵庫県知事から「自然環境や生活環境に影響を与えないように、環境監視調査結果については、適宜公表すること。
予測できない事項や環境に著しい影響が生じるおそれがある場合には、関係機関と協議し、必要な措置を講じること。また、事業の実施に当たっては、事前に地域住民に十分説明を行うとともに、要望・苦情等に適切に対処いなさい。」としている。

私たちは、文明社会に住んでいる以上、電気を使わずに生きていくことは難しい。
電力を得るためには、火力、水力、原子力などありますが、その中では太陽光発電などと並んでクリーンエネルギーであるといわれている風力発電もある。
地球の温暖化議論の中で再生可能エネルギーとかクリーンエネルギーなどといわれている電源をよく考えると、電力事業と補助金問題が見えてくる。
そこには政治家も見え隠れする。
僻地の人間だけが犠牲になっても良い理屈はない筈だ。

環境影響評価
対象事業又は特別地域対象事業の実施に際し、事前に、当該対象事業等の実施又はその実施後の土地又は工作物において行われることが予定される事業活動その他の人の活動が環境に及ぼす影響について、調査、予測又は評価を行うことをいう。
CEF南あわじウィンドファーム社が行った工事は、環境影響評価に関する条例第30条に基づく「調査」を厳格に実施するとともに、事業者が住民と協議を誠実に実施している否かを、条例第37条および第38条の報告徴収権、立入検査権を発動して把握し、積極的に関与すべきだった。
兵庫県の指針も条例も、「準備書」「評価書」「事後監視調査結果報告」について「関係市町の長に」送付・報告することと定めているのは、地元自治体の協力が必要であるからそうなっているのである。ところが市長および市議会も、西路山風力発電について積極的に関与し、意見を出してゆくべきだったのに何もしてこなかった。



事前に地域住民に十分な説明がないのに事業協定書と工事協定書が交わされ建設した。

丸山区長会長の同意だけである。

(甲) 兵庫県南あわじ市阿那賀丸山
     南あわじ市連合自治会  
    丸山区長会長  菅 育郎

(乙) 東京都千代田区平河町1−7−16・401
     CEF南あわじウインドファーム株式会社
      代表取締役   鎌田 宏之

(丙)立会人 南あわじ市長 中田 勝久


南あわじWFの何が問題か
北海道根室市の発電事業者「クリーンエナジーファクトリー」(鎌田宏之社長)による「CEF南あわじウィンドファーム」が事業を行っている。
海抜約120〜230m、南北約4kmの丘陵地に、高さ約85mの風車、1基2,500kwを15基。
『周辺地域は、豊かな自然環境の中で生活が営まれている地域であることから、自然環境や生活環境に影響を与えないように、環境監視調査結果については適宜公表すること。』
知事はそういって助言した。

     土砂に埋まる漁業工場 →
平成23年9月20日の台風15号で土砂崩れが発生しました。
(撮影:ランクル)
土砂崩れで漁業組合長の工場が土砂に埋まった生々しい写真です。
抜本的な災害対策をしないかぎりこれからも周辺で繰り返される危険があります。
ここで行政指導というのが出てくるはずなんですが、政治が機能しているのでしょうか。
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建設計画のころから危惧されてきたことだが・・・・・

平成19年11月29日サンテレビで西路山の風力発電が取材されました。
平成19年11月29日午後5時、サンテレビ放映「兵庫の風力発電」
(番組の一部 文字起こし)
地球温暖化対策の一環として、今、地球規模で取り組んでいるのが新しいエネルギーの開発です。
そのうち、日本では風力発電の普及が飛躍的に伸びています。
しかしその一方で各地区でさまざまな問題も噴出しているようです。
大自然の風を受け、悠々と回る巨大風車、環境にやさしい新たなエネルギーとして、近年風力発電が脚光を浴びています。
日本では数年前から風車の建設ラッシュが進み、その数も10年間でおよそ28倍にまで増加しました。

(大見山のホテルニューアワジ風車)
どうぞこちらからご覧下さいませ。
「大きいですね、高さは?」「今一番高いところまで、97.5mございます」
南あわじ市のこのホテルでは3年前、国内最大級の出力を備える風車を建設しました。
発電した電力は全て電力会社に売電されますが、ホテルや自治体などは観光の目玉としても期待を寄せています。
「あ、ビックリした、大きくて」「なんか大きいなあと思って、あんまりああいう大きいのを見たことなかったので」
「もっと明るい楽しい行ってみようかと興味をそそるような場所、そのためにはシンボル的な風車を建てたらどうかと建設した」
21世紀の新たなエネルギーとして期待される一方で、風力発電をめぐり各地で様々な問題が生じていることはあまり知られていません。

(次はCEF南あわじウィンドファーム)
南あわじ市辰美地区、鳴門海峡を臨むこの村に今年、突如風力発電施設が建設されました。その数なんと15基、異様な光景です。
風車からおよそ700mの距離に住んでいる津井地区区長 内原義隆さんは、騒音と景観の変化に悩まされています。まあジェット機が年中、上を飛んでいるようなもんですわ。ゴオー言うて、風が強うなったら、風がバサッ、バサッと言う。
北海道の事業者が建設した風力発電は、内原さんの住む津井地区など三つの地区に囲まれていて、一番近い民家でおよそ300mです。内原さんは自宅にかかる風車の影や風車の回る音が気になり、夜も眠れないと話します。
合唱団よ、3月に1基建ってから「うるさい!」と、こちらから見える分ですよ、やかましく言うよるんですわ、言うとるんですけど、対応してくれないんですわ。
飲食店を営む白方信行さんは定年後は、趣味の釣りでも楽しもうと去年この造成地に家を建設しました。しかし近くに風力発電施設ができることは全く知らされていなかったと言います。
去年の4月頃に工事にかかって、その時は周囲に何もなかった、もちろん何も知らないですよ自分も、知りません、建築中に監督というか、志筑でマンション借りて毎日来たんよ、ポコポコと、さらに白方さんは騒音や電磁波による健康被害を心配しています。
新しく購入したテレビも映像が乱れることもあるという、環境面での不安も訴えています。

※あの取材を受けた白方さんは平成24年に亡くなりました。
 別荘へ来ると1週間もしないうちに頭が痛くなるとおっしゃっておりましたが、低周波音被害は個人差があるというから、それが原因かどうかは判らないけれど・・・・・

※別荘地を販売した事業者と訴訟を起こしていたようだけれど、あの裁判も決着がつかないまま終わってしまうのだろう。

サンテレビ番組の取材に対して
@50回の説明とありますが、全くしていない地区もあり、事実と異なる。
A代表者の同意は、事業協定書と工事協定書のみ。
 周辺地区の一部だけの同意だけである。

この西路山には2つ事業者が風力発電を計画しておりました。
丸山マリンという事業者とクリーンエナジーファクトリー社(CEF)で、丸山マリンは事業者が死んでCEF社だけが残った。
こういう時に出てくるのがコンサルという事業者。
CEFにも関わっていたのが、コンサルタント会社アキツ地建の橋本という男で、アキツ地建が倒産してからも、CEFときんでんの二つの肩書き巧みに使い分けながら、風力発電が完成するまで現場で中心的に走り回っていた。

風車が建っている西路山は過去にゴルフ場開発で頓挫した経緯があり、その後いろいろな事業が行なわれたが殆どうまくいかなかった。
風力発電のようなエネルギーに関する事業には、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法(平成14年法律第145号)が行う経済産業省からのエネルギー使用合理化事業者支援補助金が交付されることになっていた。
南あわじ市にとっては、固定資産税も長年取れなくて困っていたところに、「渡りに船」ということであったのだろう。
CEF南あわじウインドファームの風力発電補助金は、23億円という大きな額が支払われているというが、その補助金は私達の税金なのです。

このような大規模な工事によって、貴重な自然豊かな生物生態系を破壊することに加え、豪雨などの際に土砂崩れや土石流などを引き起こす恐れが心配されていた。
災害が発生した場合、一体誰が責任を負うのでしょうか。
復旧作業は誰が行うのでしょうか。事業者が全責任を負うのでしょうか。それとも南あわじ市が市民の税金を投入することになるのでしょうか。
災害などに対する補償や対策が曖昧であまりにも無責任です。

そのような心配がズバリ当たってしまいました。
平成23年9月に襲来した台風15号は漁業組合長の工場を土砂で飲み込むという大被害を巻き起こした。
道路と海岸は土砂で埋まり、電柱をなぎ倒すなどの被害の補償問題はいまだに解決していないという。

風力発電を考える全国集会・呼びかけ
2010年4月30日東京で「風力発電を考える全国集会」を開催計画をいたしました。

風力発電を考える全国集会にご参加下さい

 風力発電は地球環境に優しいと言われています。しかし、実は全国でたいへんな問題を起こしています。深刻な健康被害や環境破壊をもたらすにもかかわらず、風力発電は政府の補助金で増え続けています。
 東京都品川区の区立総合区民会館「きゅりあん」で4月30日(金)に開く「風力発電を考える全国集会」(風力発電全国情報ネットワーク主催)では、各地から集まった多くの人達が被害の実態を報告します。いっしょに考えてみませんか。

○健康被害
・著しい騒音、低周波音、振動
・回転するブレードの影によるストロボ効果
・眩しい航空灯

○発電しても使えない
・真夏の電力需要のピーク時には、ほとんど発電できない
・電力供給を不安定にし、それを補うための火力発電所が必要
・故障、事故が多い

○野生生物への影響
・周辺では野鳥が激減
・野鳥がブレードに衝突死
・コウモリは近づくだけで大量死

○大規模な自然破壊
・山間部の場合、1基あたり約100m四方の木を伐採
・土砂崩れの危険

○周辺住民無視
・地元説明や同意もない突然の建設も
・民家との距離はたった500m離せばOK?

○政府補助金頼みの建設
・「風力発電は採算が合わないが、補助金をもらえるから造る」と事業者
・建設後の調査や審査は書類を見るだけ?

2010年4月
 風力発電全国情報ネットワーク

風力発電全国情報ネットワーク 東京宣言2010
■ 風の心 ■

 20世紀、この国では、数々の間違った政策や人々の欲望によって、取り返しのつかない大規模な環境破壊が行われました。
その結果、今の日本には、本来その土地の潜在自然植生を残した森は0.06%しか残っていません。
日本中に存在する荒れ果てた人工林を元の姿に戻すことは、もう不可能でしょう。
 アイヌの人たちが聖地として代々守り続けた沙流川では、司法が「違法な建設」と認めた二風谷ダムが、すでに半分土砂に埋まり、その上に泥水を溜めた姿を晒しています。
 こんなことが許されるのだろうか?
なぜそこまで強引に進めなければいけないのか?
 周辺住民や、多くの専門家、研究者たちは疑問の声、生活権をかけた叫びを上げましたが、国策という巨大な力に阻まれ、国民の多くには届くことなく、圧殺されてきました。
 何が行われたのか。その結果、どうなったのか。国民が少しずつ知るようになったのは、すでに回復不能なまでに環境が破壊された後のことです。
 
 私たちは今、目の前で展開されている風力発電という国策事業の現状に、過去何度も繰り返されてきた過ちと同じものを見ています。
「地球温暖化防止」「CO2削減」というスローガンのもと、巨額の国費を注ぎ込んで進められる大規模風力発電 事業は、本当に公益性の高い、価値のある事業なのでしょうか。地球環境にとってプラスに働いているのでしょうか。

 中山間地が7割を占める日本列島に、すでに1500基を超える風力発電用設備が建設されています。現在の主流は、全高が100メートルを超える、定格(最大)出力が2000kW、2500kWといった超大型風車です。
 すでに建てられた施設には、地元の行政や土地所有者に適切な説明をせず、「最初に建設ありき」の姿勢で工事が進められた例が多数あります。国定公園内に建てたり、水源涵養保安林指定を解除して森林伐採や地形改変を進めたものもあります。しかし、これだけの無理をして建設した1500基の発電実績は、全発電量の1%にもなりません。用地の選定においても、建設後の運営においても、すでに様々な問題を露呈しており、しかもその問題は簡単に修整が効くものではなく、根本的なものです。
 このまま、さらに無理を重ねたとして、発電実績を数%のレベルまで引き上げることが可能でしょうか。近い将来、風力発電推進政策はやはり正しかったのだと、政府は胸を張って言えるでしょうか。
 この国は、前世紀に犯した過ちを、今も繰り返していないでしょうか。
 
この国は、前世紀に犯した過ちを、今も繰り返していないでしょうか。

「風力発電は発電しなくてもいいのです。補助金をいただけるから作るのです」と言ってはばからない事業者がいます。試運転を始めた途端に羽根がもげ、長期間止まったままの風車、中には事実上修理を放棄されて、ただのオブジェとして放置された風車もあります。
 稼働している風車のそばでは、20Hz以下の「耳に聞こえない低周波音」が原因と思われる深刻な健康障害に苦しむ住民がいます。不正出産や奇形が多発する家畜。すみかを追われ、里に下りてきて農作物を荒らす野生生物。羽根に巻き込まれて命を落とす野鳥。水源が破壊、汚され、魚が棲めなくなる川。
 こうした被害の実態は、なかなか報道されません。一方で、冷静な検証や考察がされないまま、「CO2削減のために必要不可欠な風力発電」というメッセージだけが、繰り返しメディアを通じて流れていきます。

 ここで一度立ち止まり、みんなで「環境問題の本質とは何か」を冷静に考える時間を持つ必要があるのではないでしょうか。
 その思いから、私たちはここに、共同メッセージを発します。


●日本政府、および各行政機関のみなさんへのお願い
 風力発電推進を既定の政策と位置づけず、一度立ち止まって、日本における風力発電の実態を正確に把握し直してください。風力発電は果たしてどれだけの「有効な電力」を作りだしているでしょうか。稼働した分、本当に化石燃料の使用が減っているでしょうか。天候任せで不安定に作られる電力を一律に強制買い取りする制度は、果たして地球環境を守ることにつながるのでしょうか。
 巨大風力発電設備が生みだしている数々の破壊、脅かしている命に対して見合うだけの受益があるのでしょうか。「科学的に証明できない」「基準がない」「問題はないと理解している」……そうした杓子定規な対応が続く限り、被害者の苦しみは今後も再生産されていきます。
「風力発電推進は必須である」という前提を一度リセットし、ゼロから、真剣に検証し直してください。その結果、疑いの持たれるデメリットや予測可能な被害に対して、あらゆる予防手段を講じてください。

●風力発電を応援している企業へのお願い
 環境問題を「イメージ広告」の材料として安易に扱わないでください。みなさんが援助している風力発電事業の実態を正確に知ってください。
 日本には、深刻な公害時代を乗り越えた叡智の歴史があります。誤りを訂正する勇気と知恵こそ、日本が世界に誇れるものです。
 未来につながる実効性のある技術や事業とはどんなものか。先人たちの努力を無駄にせぬよう、困難な課題から逃げずに、見つめ続けてください。

●すべての人々に向けてのお願い
 すでに建設された巨大風車群を、一度、ぜひご自分の目で見てみてください。なんの先入観を持たず、静かな心で、変わってしまった風景を見てください。そこで感じ取れる素直な気持ちを出発点にして、風力発電にまつわる様々な情報に、改めて向き合ってみてください。
 

 人間が、生物本来の正常な判断力や危険察知の本能を取り戻すこと。
 風力発電問題に限らず、これからの時代を生きていく上で、これが基本的な出発点だと、私たちは思います。
 私たち人間を含め、地球上のすべての命を育み、活動を保証してくれた、かけがえのない自然。
 自然が発する大切なメッセージを、私たちはいつの間にか正しく受け取ることができなくなっているのではないでしょうか。

 ここで一度立ち止まり、自然のメッセージ、水の心、土の心、風の心を、正しく読み取る時間を持ちませんか。

 様々な立場にいる私たちですが、以上のことを、まずは共通の、心からの願いとして、ここに発信いたします。
 
2010年4月30日
風力発電全国情報ネットワーク

★私たち風力発電全国情報ネットワークは、風力発電開発に疑問を抱く市民、実際に風力発電施設からの被害を受けている市民、これから被害を受けることを懸念している市民が、情報共有化のために結成したネットワークです。


住民の苦しみもスルーか?
風力発電所建設は公共事業ではなく、民間事業者が補助金を受けて行う事業なのです。
公共事業と違って、補助金要領を厳密に守ることが要求されています。
建設に際して兵庫県は「環境影響評価審査会と知事の助言」として関わりました。
「十分な近接住民の理解を得てから工事を行うように」と知事は意見書で述べています。

市長や知事には補助金支給の権限はありませんが、市として守るべきは住民の生活と公共性です。
平成23年9月に襲来した台風15号により土砂災害と言う甚大な被害を受けました。
国の施策は再生可能エネルギーを推進することが目的で、そのために住民を苦しめても良いはずがありません。
発電機による低周波音被害も深刻です。
騒音自体も非常に大きく、超低周波音は人間には聞こえないけれど、超低周波音で共鳴した物体が騒音を出せば、それが被害を起こすことが研究では判っています。
通常の騒音+低周波音+共鳴による2次騒音、共鳴による2次低周波音等、まだまだ研究段階で確立されていませんが被害者が増えています。

津井西本村地区が行ったアンケートがあり南あわじ市中田市長に報告し、市長からの回答では指導、改善要望等を行うとなっていますが、ついもそうですがその時だけの答弁は見事ですが、あとは何もしない。またそれを追求する議会もなっていない。
住民は情報提供しても、それは行政という劇場でやっている学芸会みたいなものです。
本当に呆れてしまいます。



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